「造る」時代から「守る」時代にシフトしつつある建設業界において、少子高齢化による人手不足の状況環境下でのインフラの維持管理は深刻な課題です。特に、都市部以外のエリアでは広大な面積の割には人手が少なく構造物調査そのものにマンパワーを割くことができない状況にあり、構造物調査の省人化・効率化は非常に重要です。
東北大学未来科学技術共同研究センターの吉川彰教授と大橋雄二准教授および日本大学工学部の岩城一郎教授と前島拓講師らのグループは、オリンパス株式会社の完全子会社である株式会社エビデントの加藤洋氏、復建技術コンサルタントの飯土井剛副部長および東北大発ベンチャーの株式会社XMAT(仙台市)の面政也代表取締役らとともに、上記の課題解決に取り組んできました。このたび蛍光X線分析法(注1)と拡張現実技術の組み合わせによる、新奇なコンクリート塩分濃度測定技術の開発に成功し、その技術が国土交通省の 新技術情報提供システム(NETIS)(注2)に登録されました(NETIS登録番号:TH-220006)。
(注1)蛍光X線分析(XRF)
測定する対象物にX線を照射し、発生した蛍光X線を読み取ることで、成分元素や含有量を分析する手法。蛍光X線は元素ごとに固有のエネルギー量を持っているため、成分元素や含有量の分析が可能となる。
(注2)新技術情報提供システム(NETIS)
建築や建設構造物への新技術の活用のため、新技術に関わる情報の共有及び提供を目的として、国土交通省が整備したデータベース。国土交通省のイントラネット及びインターネットで運用される。NETISはNew Technology Information System:NETISの略。
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