世界初、貴⾦属ルツボを使⽤せず実⽤サイズの酸化ガリウム単結晶を作製 ―超低コストの製造法で酸化ガリウムパワー半導体実⽤化に貢献を!―(吉川PJ)

 東北大学発ベンチャーである株式会社C&A・代表取締役社長・鎌田圭と国立大学法人東北大学・金属材料研究所・吉川彰教授(東北大学未来科学技術共同研究センター兼務)はこの度、貴金属ルツボを使用しない新規結晶育成手法Oxide Crystal growth from Cold Crucible (OCCC) methodを開発し、次世代のパワー半導体として期待されている酸化ガリウム結晶(最大約5cm径)の作製に成功しました。従来の結晶育成手法では、融液を保持するルツボに貴金属であるイリジウム(ルツボ材:約1.5万円/g,2022年2月相場)を使用していたため、①結晶のコスト低減が非常に困難、②製法由来の酸素欠陥が生じる、などの問題がありました。本開発では、ルツボフリーの結晶育成手法であるスカルメルト法をベースとし、C&Aで独自装置を開発することで、貴金属ルツボを使用することなく高品質な酸化ガリウム結晶を作製することに成功しました。この成果により、酸化ガリウム基板を安価に製造することが可能となり、低損失な酸化ガリウムパワー半導体の実現に大きく寄与することが期待されます。

 なお、本研究は「宮城県新エネルギー等環境関連設備開発支援事業」、および文部科学省「革新的パワーエレクトロニクス創出基盤技術開発事業」にて実施されました。

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