ナノ触媒のリサイクル法を開発 超臨界流体を利用して活性面を短時間で再生することに成功(阿尻PJ)

近年、ナノキューブ、ナノロッド、ナノワイヤー、ナノプレートなど、特徴的な形状を持つナノ触媒材料の開発が盛んに進められています。ナノ触媒は、特定の結晶面を露出することで高い活性を発現する反面、使用時に特定の結晶面が失われ劣化しやすいことで知られており、実用化に課題がありました。

東北大学多元物質科学研究所 笘居高明准教授、材料科学高等研究所 阿尻雅文教授らの研究グループは、劣化したナノ触媒に対し、短時間の超臨界水処理を行うことで、表面の原子を再配列させ触媒活性の高い結晶面を再生する手法を開発しました。この処理により、劣化したナノ触媒の触媒活性が回復することも確認できています。

本手法によりナノ触媒の再利用が可能となることで、今後ナノ触媒の工業的利用が加速することが期待されます。さらに本手法は、汎用性の高い触媒調整技術としても今後の実用化が期待されます。

本研究成果は、9月13日(現地時間)に米国化学会の雑誌Chemistry of Materialsのオンライン版に掲載されました。

関連資料
本学プレスリリース
材料科学高等研究所(WPI-AIMR)
多元物質科学研究所