膵島移植後の副作用が少ない免疫抑制剤 -糖尿病治療のための膵島移植に最適な新規免疫抑制剤を同定-

2015年度まで当センターで「異分野融合による糖尿病への低侵襲細胞療法の確立」プロジェクトを実施しました後藤 昌史教授の研究のプレスリリースが発表されました。

(概要)
糖尿病の先端治療として、血糖調節ホルモンであるインスリンを分泌する膵島を患者に移植する治療法があります。しかし、現在の標準的免疫抑制剤については、その副作用が解決すべき喫緊の課題となっています。

東北大学大学院医学系研究科移植再生医学分野の後藤 昌史(ごとう まさふみ)教授、Ibrahim Fathi(イブラヒム ファティ)医師らのグループは、糖尿病治療のための膵島移植に最適な副作用が少ない免疫抑制剤を見出すことに成功しました。この免疫抑制剤(KRP-203)は、従来の免疫抑制剤とは全く異なる作用機序を有しており、問題となっていた耐糖能障害や移植膵島への新生血管阻害といった副作用を引き起こさないため、より安全な膵島移植が可能となります。本研究成果は、今後、膵島移植による糖尿病治療に大いに役立つと考えられます。さらに今後、肝不全に対する肝細胞移植など、他の様々な細胞移植治療への応用も期待されます。

この研究成果は、2021年7月8日(木)付けで米国の国際学術誌Transplantationに掲載されました。

参考ページ
東北大学のプレスリリースのページ

医学系研究科・医学部のプレスリリースのページ

東北大学病院のプレスリリースのページ