宮澤陽夫教授が瑞宝中綬章を受章しました(宮澤PJ)

令和5年の春の叙勲において、宮澤陽夫教授が瑞宝中綬章を受章しました。

宮澤陽夫教授は、永年にわたり、食品学の教育、研究に努め、食品劣化や生体の細胞障害に関与する過酸化脂質を高感度に定量できるCL(化学発光)-HPLC法と装置を開発すると共に、ヒト血漿に過酸化リン脂質であるホスファチジルコリンヒドロペルオキシドが存在することを証明しました。正確な定量に必要な過酸化脂質の安定高純度標品の合成にも成功し、さらに過酸化脂質異性体分子種解析のためのLC-MS/MS(質量分析)法を開発しました。

この解析技術を基礎にして、食品酸化劣化の防止、ヒトの加齢老化、脂質代謝異常、動脈硬化、高血糖、癌、認知症における膜脂質過酸化とその分子機構を解明し、食品による防御機能を明らかにしてきました。多様な食品成分とその代謝物の定量法を開発し、食品の健康機能を明らかにする一方、稲の新規ビタミンE合成酵素の発見、高血糖な血液に糖化脂質の発見、アルツハイマー病新規血液バイオマーカーmicroRNAの発見、日本食による健康有益性の遺伝子網羅的解析による証明など、食品による健康増進と疾病予防のための機能性研究を展開し、特定保健用食品を含む多くの新食品開発に貢献しました。

宮澤教授は平成25年4月よりNICHeでプロジェクトリーダーとして研究を行っておられ、平成27年度春の叙勲で紫綬褒章も受章されております。また本年4月からは、新たに第3期のプロジェクト「先端的食品バイオ研究拠点の構築」のプロジェクトリーダーとして、活動しております。

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