CNFの原料である木材は、カーボン・ニュートラル素材の地球再生のエース材料として期待されていますが、現時点での応用は機械的・化学的、医学的分野に限定されています。
東北大学未来科学技術共同研究センターの福原幹夫リサーチフェロー、長谷川史彦センター長、大学院工学研究科附属先端材料強度科学研究センターの橋田俊之教授、静岡大学 藤間信久教授、仙台高等専門学校 武田光博教授らの研究グループと、日本製紙株式会社研究開発本部CNF研究所は、共同でCNFに強力な蓄電効果があることを世界で初めて発見し、CNF表面形状を制御したナノサイズの凹凸面を作り出すことにより、乾式で軽量のスーパーキャパシタの開発に世界で初めて成功しました。
構成材料に電解液を全く用いないため、使用温度が広範囲で高電圧耐性(~400V)があるのが特徴です。電圧短時間充電が可能となり、空中、真空中からの充電の可能性も出てきました。またナノサイズ径のCNFの使用により、蓄電大容量化が見えてきたことで、世界に先駆けての「ペーパーエレクトロニクス」の幕開けが期待されます。
今後は、NEMS(ナノ電気機械システム)加工技術を導入し、集積化および積層化を行い、弱電用蓄電体としてパワー密度とエネルギー密度の向上を図ります。
本研究成果は、2021年3月19日に、Springe-Nature誌のScientific Reportsにオンラインで掲載されました(https://doi.org/10.1038/s41598-021-85901-3)。
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