世界初、レアアースレス磁石(強磁性窒化鉄)粉末の単相分離・生成に成功

NEDOの「希少金属代替材料開発プロジェクト」に取り組んでいる東北大学大学院電子工学専攻の高橋研教授(NICHe兼務)、小川智之助教と戸田工業(株)などの研究グループは、これまで粉末として単相を分離・生成することができなかった強磁性窒化鉄を合成する手法を世界で初めて確立しました。

 強磁性窒化鉄は、現在最強の磁石とされるネオジム-鉄-ボロン磁石の性能を凌駕する可能性のある物質で、この成果によりレアアース(希土類)を使用しない磁石の実現に大きく近づくことになります。

 今後、強磁性窒化鉄の生成機構解明や微細ナノ構造制御などを検討し、より高性能な磁石材料設計を行う予定です。またスケールアップを段階的に進めながら磁石メーカーとの連携を行い、レアアースレス磁石・モーターの実用化検討を進めます。

 なお、このプロジェクトの参加機関は、東北大学、京都大学、千葉工業大学、倉敷芸術科学大学、戸田工業株式会社、帝人株式会社、トヨタ自動車株式会社、(独)物質・材料研究機構、(独)産業技術総合研究所(再委託)、(財)電気磁気材料研究所(再委託)の10機関です。