研究プロジェクト学術型プロジェクト

キメラ人工核酸創薬研究
~キメラ人工核酸の高活性触媒的標的RNA切断機能による革新的治療薬への展開~
Research on Chimeric Artificial Nucleic Acid (CANA) Based Drug Development
Developing Innovative Therapeutics Based on the Highly Active Catalytic RNA Cleavage Function of Chimeric Artificial Nucleic Acids.

プロジェクト期間2026年4月1日~2027年3月31日
和田 健彦 特任教授 和田 健彦特任教授 Specially Appointed Prof. Takehiko Wada

研究の概要

本プロジェクトでは、プロジェクトリーダである和田が基礎的有効性実証に成功した「高活性触媒的標的RNA切断機能付与型人工核酸(キメラ人工核酸・CANA)」を活用し、これまで実績のある新型コロナ治療薬開発研究をモデルとし、今後出現する可能性のある高病原性ウイルス疾患など新興感染症、そして癌や遺伝性疾患に対する新たな治療薬基盤として戦略的に活用するための展開研究とin vivo有効性実証研究に取り組み、展開研究に立脚した開発研究を推進します。

研究の特色

次世代の分子標的薬として期待されている核酸医薬の実用化に向けた深刻な解決課題として指摘されている、極少ない細胞内導入量に起因する”低い治療効果”の改善に向け、我々は「高活性触媒的標的RNA切断機能付与型人工核酸(キメラ人工核酸)」を提案し、その有効性実証に取り組んできました。キメラ人工核酸は、アミド骨格人工核酸とDNAとのハイブリッド構造を有し、RNase HのRNA選択的切断機能を活用し、標的RNAの触媒的切断と顕著な触媒回転数向上により、極めて高い効率的標的RNA切断を実現し、治療効果の向上が期待されています。加えて、オフターゲット効果と総称される核酸医薬品共通の改善課題である、副作用の低減も実現します。また、適切な疎水性付与に基づく細胞膜透過性の向上も、治療効果の向上に貢献します。我々は、CANA分子のin vitroならびに細胞試験などにより、機能発現機構解明と機能向上に資する構造最適化ならびに標的RNAに応じた配列・構造設計指針構築など基礎研究に取り組んできました。本プロジェクトでは、基礎研究の知見に基づき、標的RNAの直接的切断に基づくRNA機能ノックダウンによる治療薬への展開研究を目指します。

期待される成果・展開先

本プロジェクトで活用する「高活性触媒的標的RNA切断機能付与型人工核酸(キメラ人工核酸・CANA)」は、極少量の投与・細胞内移行量でも優れた治療効果を発現し、かつ最新のギャップマー型核酸医薬分子の有する腎毒性・肝毒性などオフターゲット効果の低減、さらには血中安定性の向上を実現し、次世代の核酸医薬分子として期待されています。キメラ人工核酸を活用した、新型コロナなど新興感染症ならびに癌や遺伝性疾患に対する治療薬への展開が期待されています。さらに東北メディカルメガバンク機構と協働し、希少性・難治性という点から治療方法の糸口すらないものが多い幅広いゲノム関連疾患に対する治療方法開発も期待され、汎用性の高い次世代分子標的薬モダリティ、革新的治療基盤としての展開が期待されています。