百寿モビリティのための加齢適応プロジェクト Age-Adaptive Project for Centenarian Mobility
田中 佑治特任准教授
Specially Appointed Associate Prof. Yuji Tanaka
研究の概要
望む方が100歳まで自立したモビリティを実現するために、加齢で生じる心身の多様な課題に適応する技術と仕組みの創出が連鎖する、学際的な産学連携プラットフォームの基盤を構築します。予備型プロジェクトとして、睡眠時無呼吸症候群(SAS)と事故リスクに着目した大規模な疫学調査と調査データに基づく簡易検査手法・社会システムの研究開発、認知機能、視機能等の加齢関連疾患制御に資する細胞・物質・検出手法に関する独自の橋渡し研究に着手しています。
研究の特色
自立したモビリティを伴う百寿の実現は、従来の医療や工学の枠組みだけでは到達できない挑戦です。本プロジェクトでは、これまで見落とされてきた加齢に伴う睡眠障害に潜む事故リスクに着目した医学研究や関連技術の開発、社会制度の提案を一体的に進めます。また、認知機能や視機能の維持・改善に資する独自性の高い技術開発を通じて、新たな課題の発見と解決が連続的に生まれるプラットフォームの構築を目指します。特に睡眠時無呼吸症候群(SAS)研究は、医療、工学、情報、行政、企業が連携する実践的な取り組みとして推進しています。社会ニーズと多様な分野の叡智を結びつけることで、社会実装の効果を最大限引き上げて目標達成を目指します。
期待される成果・展開先
SASにより日中眠気が誘発されて自動車事故リスクが3倍以上に高まることが報告されていますが(図)、治療で改善することが分かっています。加齢によるSASの有病率の上昇も報告されており、独自調査でも同様の傾向を得ていますが、高齢者事故に特化した研究や事故対策としては浸透していません。本事業で高齢者におけるSAS罹患の実態を明らかにし、同時に社会的対策を進めるための簡易検査法や仕組みを同時に開発することで、即効性のある高齢者事故対策を社会に浸透させることができると考えています。また、認知機能や視機能も運転技能に直結します。認知機能予防食品・簡易検出法、網膜等眼疾患治療のための再生医療技術・バイオマテリアル等の独自の技術シーズの橋渡し研究を推進します。これらの成果を、スタートアップ等の様々な企業に導出します。ニーズに直結する技術開発であるため効果的かつ迅速な社会実装が期待できます。