実世界で活躍するタフなロボット・AI技術の研究開発と実用化 Research and development of tough robotics and AI technologies for real-world applications
プロジェクト期間2023年4月1日~2028年3月31日

研究の概要
少子高齢化に伴う労働力不足が大きな社会問題となっています。加えて、感染症の流行に伴う人の動きの抑制が労働力不足の問題に拍車を掛けています。私達は、タフなロボット・AI技術の研究開発を通してこの社会問題の解決に取り組みます。タフなロボット・AI技術としては、災害対応やインフラ点検に役立つ高所・狭隘環境で頑健に作業するロボットの開発、土木建設やカスタム生産や自動車の自動運転を革新する知能の開発、人やペットの意図や情動を理解するセンシングや技術を開発しています。
研究の特色
- 新たな発想にもとづくロボット技術の開発:大学のもつ柔軟な発想と専門知識にもとづいて、各場面の課題を解決するシンプルで効果的なロボット技術を開発しています。
- 確率的手法を利用した頑健な認識・制御:確率的手法を利用してセンシングノイズ、悪天候・埃、周囲の人間による外乱などを認識し、頑健に行動する技術を研究しています。
- データにもとづく知識の高度化:ヒトとロボットが共存する場面ごとに存在するローカルルールをロボットのセンサデータから理解し、場面に適した行動を行う技術を研究しています。
- 非侵襲なセンシングでヒトや動物の情動状態を認識:ヒトや動物の情動状態を非言語のコミュニケーション(心電、呼吸、社会シグナルなど)を介して理解する技術を研究しています。
期待される成果・展開先
期待される社会的な成果は、交通・物流、災害対応・インフラ点検、ペット産業などの各分野へのタフなロボット・AI技術の社会実装を通した技術の普及と、新たな研究課題の発掘です。これらの分野で課題を抱えている企業や自治体の皆さんには、これなら大学で解けるだろうという問題ではなく、これを解いてほしいという本当の困りごとを相談していただければ幸いです。
期待される学術的な成果は、確率的手法やセンサデータにもとづく知識の創出を目指しロボットと情報の関係者が集うデータ工学ロボティクスという研究領域の浸透、自ら成長する人工物の構築を目指しロボットと情報と土木の関係者が集う人工物ホメオスタシスという新しい研究領域の創出、ロボットと情報と動物行動の関係者が集うイヌのスーパーセンシングという新しい研究領域の創出を目指しています。これらの研究開発にも協力していただけると幸いです。

