研究プロジェクトライフサイエンス

先端的食品バイオ研究拠点の構築 Advanced Food Biotechnology Research Project

プロジェクト期間2023年4月1日~2028年3月31日
宮澤 陽夫 教授 宮澤 陽夫教授 Prof. Teruo Miyazawa

研究の概要

我が国の食品産業は、国内市場の縮小と海外での激しい競争下にあります。欧米・アジア市場で選好性の高い新食品開発が求められます。

我々は、食品分析・加工・微生物発酵の分野最新の精密解析・高感度定量・選択濃縮・ゲノム情報を活用し、国際的に優位な独自技術開発を産学共同で展開しています。

本プロジェクトでは、高品質な原料産地である東北の素材成分の高度変換技術を発展させ、国際的新食材を開発します。

研究の特色

近年、食品成分分析・加工技術が急速に進歩しており、我々はその分野で世界をリードしています。特に食品の機能性市場の拡大で必要とされる、栄養成分と微量機能成分の高感度精密分析技術と細胞・生体システムを利用した評価技術と食品原料の加工技術に優れています。

化成品生産と食品加工の共通技術である微生物発酵においても、従来に無い微生物ゲノム情報を活用した国際的に優位な独自技術開発を産学共同で展開しています。

本プロジェクトでは、地域食品企業が産学共同で国際的新商材を開発するための統合開発プラットホームの構築完成を目指します。

期待される成果・展開先

従来から食料1次産品生産供給基地に留まっている東北の産業活性化には、食品バイオの発展と産業活用が極めて重要です。

東北食品産業の進展と世界展開に向けては、東北の農林水産物など1次産品の新しい加工技術ならびに発酵醸造への新たなバイオ技術の活用による素材の高付加価値化が渇望されています。本プロジェクトの成果を活用した安全で高品質な新食品・発酵製品の創出は、東北のみでなく我が国の産業競争力を強化し、東北と我が国の食品・発酵産業を内需中心の地域・国内産業から輸出に軸足を置く国際産業へと大きく飛躍的に変貌させることにつながり、東北と我が国の食品産業の発展を加速し、三大疾病をも予防できる食品開発を行い健康長寿社会の構築に貢献します。

さらにはAI(人工知能)の活用により、従来不可能であった、「食」の特性である多成分・多分子種同時摂取の生理的な機能性を科学的に説明できるシステム開発を行います。

現在、本プロジェクトでは、NICHe本館6階に食品成分に関する最新の評価・分析装置を整備し、地域食品企業への共用を開始

高速液体クロマトグラフィー・高感度質量分析装置

高速液体クロマトグラフィー・高感度質量分析装置
機能性食品の微量成分等の定量分析が可能

高速液体クロマトグラフィー・高分解能質量分析装置

高速液体クロマトグラフィー・高分解能質量分析装置
未知化合物のスクリーニング分析、データベース解析が可能

ガスクロマトグラフィー・質量分析装置

ガスクロマトグラフィー・質量分析装置
メタボローム解析、食品の香気成分等の分析が可能

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