研究プロジェクト環境

高温固体電気化学エネルギー変換材料の評価・解析技術開発 Development of Evaluation and Analysis Technologies for High-Temperature Solid State Electrochemical Energy Conversion Materials

プロジェクト期間2026年4月1日~2030年3月31日
川田 達也 特任教授 川田 達也特任教授 Specially Appointed Prof. Tatsuya Kawada

研究の概要

酸化物イオンを通すセラミックスを使って水素や天然ガスから電気を作る固体酸化物形燃料電池(SOFC)は、高効率分散電源として実用化が進んでいます。この逆反応の固体酸化物形電解セル(SOEC)も再エネを利用した水素製造やグリーン燃料合成法として実証段階にあります。本プロジェクトでは、これら高温電気化学エネルギー変換に用いられる材料の挙動を把握する実験手法や解析手法を開発し、技術の社会実装を促進します。

研究の特色

SOFC/SOECの本格的商用化・大型化に向けては、セラミックス材料で構成されるセル・スタックの機械的信頼性が課題となります。本研究では、特にSOEC動作における損傷の発生機構を明らかにし、ミクロ・マクロスケールでの長期信頼性を確立することを目指します(NEDO受託研究)。また、再生可能エネルギー由来の変動電源からSOECによって高効率に水素を製造する方法を、メーカと協力しながら実証研究によって確立します(F-REI受託研究)。さらに、SOFC/SOEC実装支援研究センターの活動や、共創研究所・共同研究講座の取り組みを進め、新しい材料・セル・スタック・システムの開発と社会実装を支援します。

期待される成果・展開先

本研究によって開発するSOFC/SOECは、エネルギー利用形態を革新し、カーボンニュートラルの早期実現を可能にします。

  1. SOFCは、国内では家庭用熱電併給装置「エネファーム」としてすでに20万台を超えるユニットが販売され,中規模以上の業務用SOFCでは最新の大型火力発電を超える発電効率(65%)も達成していますが、本格的な普及には至っていません。本研究で信頼性向上と低コスト化が達成されれば、社会実装が進み、分散型の高効率エネルギー利用の選択肢が広がります。
  2. 水電解は再生可能エネルギーの余剰電力を水素に変えて貯蔵する技術として注目されており、中でもSOECは最も効率のよい電解方法として期待されています。CO2との共電解も可能であり、CO2の回収・再利用によるカーボンニュートラルなエネルギーシステム構築も構想されています。本研究は基礎研究・実証研究を通じてSOECの社会実装を加速します。
SOFC/SOECが拓くエネルギーの未来
未来科学オープンセミナーアーカイブ
https://youtu.be/SM1KQ18AWvY