研究プロジェクトナノテクノロジー・材料

新規金属積層造形技術開発とそれを核とした新材料・材料加工プロセスの創生 Development of new materials based on new metal additive manufacturing technology

プロジェクト期間2023年4月1日~2028年3月31日
千葉 晶彦 特任教授 千葉 晶彦特任教授 Specially Appointed Prof. Akihiko Chiba

研究の概要

本プロジェクトでは、金属粉末材料および粉末溶融・焼結プロセスの基礎学理を確立するとともに、超高温急速凝固を活用した新規材料開発を行う。さらに、造形中データとAIを用いたIn-situモニタリングとフィードバック制御により統合型金属積層造形技術を開発する。加えて、電子ビーム造形、PREP(Plasma Rotating Electrode Process プラズマ回転電極法)粉末製造、リサイクル処理およびパウダーヘルス診断を統合し、粉末―工程―品質を一体設計した高信頼AM基盤を構築する。

研究の特色

本研究は、In-situモニタリングとフィードバック制御を融合し、金属積層造形中に発生する欠陥をリアルタイムで検知・補正する「作りながら品質保証」に基づく無欠陥造形技術の確立を特徴とする。特に、マルチドットスキャン方式電子ビーム積層造形により、従来法に比べ造形精度と生産性を大幅に向上させる。さらに、AIとプロセスデータを統合した自律制御により全自動化された次世代AM技術を実現する。また、PREP技術の高度化と粉末診断により材料起点の欠陥抑制と新材料開発を推進し、地上産業から宇宙環境まで展開可能な革新的製造基盤を構築する。

期待される成果・展開先

本研究により、In-situモニタリングとフィードバック制御を統合した「作りながら品質保証」が実現され、金属積層造形における欠陥をリアルタイムで検知・補正可能な無欠陥造形技術の確立が期待される。これにより、製品の信頼性および再現性が大幅に向上し、航空・エネルギー・医療分野など高信頼性が求められる産業への適用拡大と競争力強化に寄与する。さらに、電子ビーム造形の高精度化・高速化により生産性向上とコスト低減を実現する。また、PREP法による高機能粉末製造と粉末診断技術により材料起点の欠陥抑制を可能とし、新材料開発を加速する。将来的には、プロセスの自律化・全自動化を通じて遠隔・無人環境での製造を可能とし、月面・火星環境への展開も期待される。これらの成果は関連産業のみならず材料科学、プロセス工学、データ科学分野へ波及する。

電子ビームによる金属粉末の溶融池形成

電子ビームによる金属粉末の溶融池形成

計算熱流体解析によるメルトプール形成挙動

計算熱流体解析によるメルトプール形成挙動