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世界初・貴金属オールフリーなバルク結晶育成装置での3.5インチ級酸化ガリウム単結晶を実現 ― 高品質かつ低コストな次世代パワー半導体の実用化を加速し、2029年の量産へ —(吉川PJ)

プレスリリース 2026年07月28日

 東北大学発ベンチャーである株式会社FOX・代表取締役・小野寺晃、株式会社 CA・代表取締役、国立大学法人東北大学未来科学技術共同研究センター・教授・鎌田圭、国立大学法人東北大学・金属材料研究所・吉川彰教授(東北大学未来科学技術共同研究センター兼務)、国立大学法人三重大学・半導体・デジタル未来創造センター・姚永昭教授はこの度、貴金属を全く使用しない新規結晶育成手法 Oxide Crystal growth from Cold Crucible (OCCC) method を用いて、次世代のパワー半導体として期待される、実用サイズとして十分な直胴部を有する3.5インチ径の酸化ガリウム結晶の作製に成功しました。

 

 従来の結晶育成手法では、融液を保持するるつぼやヒーター部材に貴金属であるイリジウム(4 万円/g, 2026 年 6 月相場)を使用していたため、①結晶のコスト低減が非常に困難、低酸素分圧 雰囲気由来のマイクロ・ナノボイド等の欠陥が生じる、などの問題がありました。本開発では、OCCC法結晶製造装置・高周波発振装置の改良や、独自の自動結晶形状制御ソフトウェアの開発により、種結晶からのスムーズな結晶径の拡大可能とする形状制御を確立することで、貴金属るつぼ・部材を一切用いることなく、高酸素分圧雰囲気を適用することで、高品質な酸化ガリウムバルク単結晶を製造する技術の開発に成功しました。

 

 今後、本成果により欠陥の少ない高品質・大口径の酸化ガリウムを用いた高効率パワー半導体・高周波デバイスの開発と普及が加速し、急速に拡大するデータセンター、再生可能エネルギー設備、送配電機器、蓄電池などの電力変換効率向上や、高耐圧・高出力・高効率が必要なRF/ミリ波/将来6G周辺の電源・送信系デバイスの実現に貢献することが期待されます。これにより、本技術がエネルギー消費の削減や脱炭素社会の実現に寄与し、次世代半導体産業の研究開発基盤となることを目指します。

 

 なお、この成果はNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)「ディープテック・スタートアップ支援事業」、「脱炭素社会実現に向けた省エネルギー技術の研究開発・社会実装促進プログラム」、「官民による若手研究者発掘支援事業費」、および文部科学省「革新的パワーエレクトロニクス創出基盤技術開発事業」、科学研究費助成事業として「日本の半導体産業再興への道を拓く酸化ガリウムの新規バルク単結晶成長法の開発」「融液成長の限界を超越する新規るつぼフリー成長法によるGa2O3の成長と欠陥評価)」の助成事業の結果得られたものです。

 

 開発技術の詳細は米国メリーランドで開催される国際会議 International Workshop on Gallium Oxide and Related MaterialsIWGO2026) において、202684日(現地時間)に発表します。

 

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